「宗像・沖ノ島と大和朝廷」展 &プレミアム座談会・内覧会&ミュージアムトーク

九博特別展の感想です。

誘われたり招待していただいたり自分でも見に行ったりで、三回分まとめての感想になります。

*記事内の画像について
○九博のロゴがあるもの・・・博物館より提供していただいたものです。
○それ以外・・・博物館より特別な許可を得て撮影したものです。(問題ありましたらお知らせ下さい。)

1、大公開!沖ノ島展の舞台裏

今回ぶろぐるぽのご縁で、「ブロガーのためのプレミアム座談会&内覧会」に招待していただきました。

まずはその感想から。

会場にはスライドが用意され、原画が展示されていて和やかな雰囲気でした。
(お忙しい中これだけの準備をされたとは。)
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プレミアム座談会 会場の様子
プレミアム座談会 会場の様子

担当スタッフの方が男女で古墳時代の服装をされていて、それにもほっこり。
フランクでフレンドリーな空気に緊張もほぐれ、楽しい時間となりました。

しかもこの衣裳、なかなかのクォリティで、お二人ともよく似合ってらっしゃったのです。
髪もちゃんとみづらと古墳島田にされていてとても可愛かった。
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三角紋襷と袈裟衣の巫女?
三角紋襷と袈裟衣の巫女?

座談会では、会場をどうレイアウトしデザインしたかといったお話を聞くことが出来ました。

埴輪には個々の具体的な背景があるのに、記紀の場面に当てはめていたことにちょっぴり違和感を感じていたのですが、お話の中でそのことにも触れられていました。
(うろ覚えなので違っていたらすみません)

「日本書紀は平安時代の写本しかなく、(古墳時代から見ると)新しいものなのでこれが正解というわけではない。けれども、古墳時代の人たちの考えを知ろうと思えば記紀の中に書かれているものになる。古墳時代の祭祀の背景を記紀の中にたどっている。」

神話を裏付けるのがメインではなく、沖ノ島の雰囲気と世界遺産として評価されたポイントに寄せて会場作りをされていたようです。

それから、イラストでは地面にたくさん砂を描かれたそうで、

「絵描きの才能はしつこさとあきらめない心」

と言われていたのがツボでした。(“才能”ではなく“素質”とか“資質”という言葉だったかも。またしてもうろ覚えですみません。)

例えばこの絵、白や黄色の砂があったり灰色も何種類かあったりします。
ほとんど見えないような所にも手をかけられていました。
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神話イラスト原画
神話イラスト原画

本当に裏話トーク楽しかったです。

2、展示室は埴輪パラダイス

ここからは、印象に残った展示について箇条書きで並べていきます。

①船の埴輪

航海の様子をうかがえるものとして船の埴輪が展示されていました。
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で、私が気になったのはキャプションにあった船の絵。
  ↓

東殿塚古墳出土埴輪の線刻だそうです。
舳先に鳥、船内に枝木のようなものと吹き流しのようなものがあります。
どういう意味があるのでしょう、気になります。

今回オール撮影可とのことで、いつも気になっていたキャプションをバシバシ撮らせていただきました。
有名なミニチュア織機の展示では、機織する埴輪の画像が添えられていました。
こちらの方が興味深かったりしました。

②椅子に座る男子

舟のコーナーではなく、水の祭祀コーナーで展示した方が良かったのではないかと思いました。
ちょっと唐突な気がして。

実物に関しては、薄くて焼き締まった感じで技術の高さを思いました。
琴を弾いて祭祀を行っているのではないか、とのことです。
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座っている椅子の模様をよく見ると・・・。
  ↓

孤帯紋のような直弧紋っぽいような??

横に須多田天降天神社古墳(福津市)の「椅子に座る男子型埴輪片」も展示されていて、見比べることが出来ました。
  ↓

地元の出土品であってもなかなか見る機会がない上に、見ることが出来ても 欠片  かけら  だけで何がなにやら??の事が多いですよね。
こんな風に比較対象があると、イメージを掴むことができてわかりやすいです。

③古墳島田

いつも思うのですが、板を載せたようなこのヘアスタイルが不思議です。
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髷ならもう少し曲線的な表現になるのではないかと思うのです。造形的にこちらの方が簡単なのでしょうか?

頭に板状のものを載せるのは、彝族の様式に似ているようにも思うのです。こじつけすぎかしら。

④導水施設型埴輪

これは初めて見ました。
  ↓

導水施設遺跡は近畿地方に集中しているのだそうです。

行橋市でも見つかっていて、その木樋も展示されていました。

⑤金銅製香炉状品

確か過去に見た時は「香炉」と紹介されていたこれ、「香炉状品」になっていました。
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実は馬の飾りですって。びっくり。

3、文化交流展&ミュージアム・トーク

①宮地嶽古墳出土品の精華と火葬墓

 
企画展示の様子を公式ツイートから。
  ↓


元々これに合わせて特別展を見にいこうと思っていたくらい、楽しみにしていました。

頭椎大刀の展示ケースには筑紫舞のポーズが切り絵風に装飾され、地元民には嬉しいコーナーに。

ミュージアムトークの前半は初めての方に向けたお話で、一通り歴史的な説明が終わると気さくに質問を受けておられました。
同じフロアで輪になって、というのがいいですよね。
直接お話を聞く中で、思いがけない話題になることも?

火葬にまつわる質疑の中で道昭の名前が出たので内心どっきり。
久山町の町史(だったと思います)に、道照が須良山(首羅山)に滞在していたことが書かれています。
地理的に近いので案外宮地嶽にも来ていたりして、なんて妄想してしまいました。

②筑後将士軍談草稿

 
4階の埴輪の部屋では『筑後将士軍談』の草稿が展示されていました。
しかも、岩戸山古墳の石人のページが開かれていましたよ。
今まさに特別展でこの石人が展示されていますね。

石人の展示の様子です。
  ↓ 

上からつり下がっているのが『筑後将士軍談』矢野一貞のスケッチ。
3階と4階でさりげなくリンクしていたのでした。

4、おわりに

「プレミアム座談会&内覧会」では、博物館の方に館内を丁寧に案内していただきました。
次のタイ展ではすごい扉が来ますからねと教えていただいたり、お世話になりました。

撮影と投稿に関する留意事項も、きちんと文章でわかりやすく提示していただいたので助かりました。(迷いますから。)

大変貴重な機会を設けてくださって本当にありがとうございました。

 

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