九博の特別展を見てきました。
俑のディテールを存分に味わい尽くすことが出来た展示でした。
髪の一筋まで、じっくり見ることが出来て大満足です。
以下、印象に残ったものについて、箇条書きで感想を書いていきます。
展示室内の画像は九州国立博物館から提供していただきました。
その1、玉胸飾り
(画像向かって右から2番目の展示物が玉胸飾りです。)
「誕生!中国文明」展の時展示されていた、?(カク)国墓の出土品を思い出しました。
デザインは違いますが配色やパーツが似ています。
あの時は?(カク)国の公・貴性を表すものとして見たのですが、今回のはどこでどのように出土したものなのか気になりました。
西周文化を象徴するモノとして位置づけられていましたけれど、よくある飾りなのでしょうか。
単に私が瑪瑙と璧の組み合わせが好きなだけなのですけれど、とても綺麗でした。
その2、鼎
鼎はやはり格別なのですね。
以前の展示で鄭の九鼎が展示されていましたが、これを持つことがステータスだったのがわかります。
もともと中山国の物だったのが、中山国を滅ぼした趙のものになり、趙を滅ぼした秦のものになったとのこと。
モノが歴史を語るという具体例。
しっかりした国だった中山国、最盛期の趙、ラストで他を圧倒した秦。
(日本でも戦国大名の逸品が徳川家に集まったなぁ・・・。なんてことを考えました。)
その3、帯鉤
よく見ないとわからないのですが、鍍金や象眼を施した細工品です。
西アジアと交流があった証、ということでした。
アレクサンダー大王の東征で押し出された人たちも来たでしょうし。
アフガニスタン展で見たバクトリアと重なる時もあったでしょうし。
戦国時代は商業も盛んだったようですから。
兵馬俑は何度か見ているので、こういう身につけるものに目が向きました。
その4、兵馬俑
展示室内が大胆にレイアウトされていて、バルコニー様の見晴らしスペースが設置されていたのが良かったです。
雑伎傭を初めて見ました。
昔々西安まで見に行きましたが、これは記憶にない気がします。
今回は弩弓(複製)なども展示されていて、新しい発見や研究の成果も反映されていたようです。
5、山手線キングダム展
私が学生の頃は、秦を知る機会というと「鶏口牛後」の故事(漢文)だったと思うのですが、今はゲームや漫画の方で知られているようですね。
あの?政が主人公になるのだろうかと思っていた「キングダム」、九博一階のエントランスホールでパネル展も行われていました。
山手線で展示されていたものだそうですが、楽しかったです。
「幻の第1話未公開ネーム」はファンには嬉しいのではないでしょうか。
羌?(キョウカイ)は最初普通のヒロインだった、河了貂は戦闘では留守番の予定だった、など興味深いネームもありました。
展示の様子を撮り忘れたので、公式ツイッターからの引用です。
↓
連載前半5年間の展示内容は、『幻の第1話未公開ネーム』や、『王騎のキャラクターについて』『原先生が選ぶ好きなシーン』など盛りだくさんじゃ!わしも見に行きたいのう~! pic.twitter.com/TQziVOYtDU
— 特別展「始皇帝と大兵馬俑」(公式) (@heibayou2015) 2016年3月31日
(「山手線キングダム展」前期展示は4月28日まで、5月6日から後期展示。)
兵馬傭展に関する感想は以上です。
4階では、芦屋鋳物師を特集した展示をやっていました。
なんと、高倉神社の毘沙門天立像が来ていました。(4/17まで)
これは嬉しい。
いつも屋外で風雨にさらされた感じで立っていらっしゃる毘沙門天様。
室内展示されたものを見ていると、改めてその立派さに驚きます。
これが鋳物だとは、わかっていても信じられません。
この展示のためクリーニングされたそうです。よかったよかった。
装飾古墳バーチャルシアター方面から芦屋鋳物師展の展示室へ歩いて行かれることをオススメします。
丁度入り口が額縁のようになって、毘沙門天立像がくっきりと浮かんで見えるのです。
とてもステキでした。