「東山魁夷 自然と人、そして町」 展-九博に唐招提寺御影堂が出現-

九博の特別展を見に行きました。
なんとびっくり。展示室内に唐招提寺の御影堂がすっぽり収まっていましたよ。
絵の展示ではなく部屋としてしつらえてあるので、臨場感(?うまく言い表せる言葉が見つかりません)のような何とも言えない迫力があってすごくよかったです。
東山魁夷氏は、「絵が置かれている建物の様式や構造との関わりを深く考えなければならない」とおっしゃっていました(ちょっとうろ覚え)。
取り外された襖だけが展示ケースに入っていたら、この世界観はわからなかったかもしれないと思いました。
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御影堂自体は開山忌に見ることができますが、厨子の後ろは見えません。
今回は、いつも見えていない部分も見ることが出来る貴重な機会でした。
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そして「濤声」
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絵だけ見ていると波の音が聞こえそうなのですが、御影堂にふさわしい静謐さが漂っています。
「朝明けの潮」、「満ち来る潮」もすばらしいですが、私はこの襖絵の海が一番好きです。
(勝手に“東山魁夷海三部作”と言っております。)
他にドイツの町並みを描いたものや、「夕星」が印象に残りました。

展示室内の画像は九州国立博物館から提供して頂いたものです。

特別展を見た後、同行者が観世音寺に行ったことがないというのでそちらへ向かいました。
鑑真和上といえば、地元の観世音寺と戒壇院もゆかりがありましたね。
観世音寺
(flickrよりシェア)
美術展でしたけれど、唐招提寺と鑑真に思いをはせる一日となりました。
御影堂は平成27年から約5年の予定で修理されていて、現在拝観できません。
鑑真和上坐像は、新宝蔵で開山忌に開扉されるそうです。
金堂大修理の時に降ろされたあの鴟尾と一緒なのかと思うと、それをこそ見に行きたい気がします。
金堂修理の時も気づけば落成法要が終わっていましたから、5年と言ってもあっという間でしょうね。

 

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