ベトナムの文化や観光を紹介する「ハノイ・デイズ」と合わせて「大英博物館展」を見てきました。
ハノイ・デイズの方は、台風の影響で予定が変わって残念でしたね。
パネル展示にgionの文字を見つけて「おや?」と思ったり、楽しい時間を過ごせました。
またこのような催しがあれば是非訪れたいと思います。
それでは大英博物館展で印象に残ったものについて感想です。
*展示室内の画像は九州国立博物館から提供していただいたものです。
その1、オルドヴァイ渓谷の「礫石器」と「握り斧」
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(「礫石器」)
(「握り斧」 flickrよりシェア)
「礫石器」はガツンガツンとたたいて割る用、「握り斧」は刺したり裂いたりする用、でしょうか。
140万~120万年前のものだというのですからびっくりです。
偶然では出来ない形ですよね。
イメージして造型する力、用の美がすごい。
と思いました。
その2、ウルのスタンダード
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とても美しかったです。
ラピスラズリの深い藍色の発色は、やはり肉眼で見なければわかりません。
これは写真ではダメ。実際に実物を見るべき。
台形部分のこの装飾が気になりました。
これも何かの場面のようですが、何を表しているのか知りたいものです。
その3、ボロブドゥールの仏頭
展示室内の画像がないので、代わりに頭部のない仏像の画像をシェアします。
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(flickrよりシェア)
ボロブドゥールを訪れた時の記憶とリンクしてしまいました。
失われた頭部の一つが今ここにあるのだと思うと、ちょっと複雑な気持ち。
元に戻してあげたくなります。
大英博物館とはそういうところなのだなぁ、と改めて意識させられた感じです。
持ち出したラッフルズ氏はこの遺跡の功労者ですけれど、それでもね。。。
探検家やコレクターのおかげで日の目を見たモノはたくさんありますね。
そのまま誰にも知られず埋もれてしまうよりはよかったと言えるのでしょう。
天災や人災で失われてしまったけれど、持ち出され収蔵されていたおかげで残った、というケースもあります。
その巡り合わせも含めての博物館の存在なのでしょうね。
その4、自在置き物
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(中央のガラスケース)
なんと!これが来るとは思ってもみませんでした。二度目の来福ですよね。
今回の展示品の中で一番驚いたモノかもしれません。
どうしてこれがチョイスされたのでしょう?
そのことが不思議でした。
モチーフとしての「ヘビ」が持つ普遍性ゆえだったのでしょうか。
(ざっと思いつくだけで、創世記のヘビ、ナーガ、伏羲と女?、ウロボロス、ファラオの頭上、などなど。)
本家BBCのサイトには、100 Objectsにこの自在置き物はないのですよね。
ヘビつながりではアステカの神ケツァルコアトルの象徴がありましたけれど。
日本の展示と言うことで、日本製と差し替えたのかしら???
同じカテゴリーだったり同じ遺跡から発掘されたモノだったりする中で、なぜこれがチョイスされたのか?
ウルの出土品で言えば、山羊じゃなくてスタンダードなのはなぜ?
そんなことを考えながら見るのも面白いかもしれませんね。
その5、折り鶴
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九博オリジナルの101点目です。
折り鶴とは素晴らしい!
と思いました。
昔からある手遊びとしての娯楽性と、近年付加された祈りの象徴としての精神性。
作図が出来たり方程式が解けたりする折り紙の数学性も示唆。
そんないろんな要素を併せ持つ折り鶴だとは。
なぜか嬉しくなりました。
折り鶴に関して記憶に新しいのがこのトピック。
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Origami in Space: BYU-designed solar arrays inspired by origami
留学した日本で折り鶴と出会った方が、折り紙技術を応用した太陽電池パネルをデザインしたというもの。
宇宙船を支える折り紙技術が折り鶴から始まっていたというのです。
異文化との出会いと新旧技術の融合。
そんなエピソードも持つ折り鶴は、「今、そして未来を語るモノ」にふさわしいと思いました。
なんてね。
宇宙と折り鶴というのは私が感じたことで、キャプションにはないのですけどね。
この特別展は、人の手が作った形の集成みたいなものだなぁと感じた私。
直接手で折るというのは手仕事の原点ですよね。
そういう意味でもナイスチョイスだと思いましたよ。
ここでは来場者が鶴を折って入れることが出来ます。
展示に参加する、と言うのも楽しいのではないでしょうか。
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このほか、アイルランドの金製の半月型装飾が気になったり、乾隆帝の書きつけ魔ぶりをここでも見たり、タイノ族の儀式用椅子のカーブが九州にある石の遺跡のものと似ていると思ったり、イフェの頭像のクオリティに驚愕したり、展示がバラエティ豊かでしたので興味が尽きませんでした。
さ、アストロラーべのペーパークラフト作ろうっと。
(型紙ありがとうございます。使い方→1・2)