「祈りのかたち八幡」&大野城3Dプロジェクションマッピング

九博のアフガニスタン展を見た後、4階の展示を見てきました。
トピック展示の「祈りのかたち八幡」。
展示室内は撮影禁止なので、代わりに宇佐八幡宮の社殿を。
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昨年、香椎宮が十年に一度の勅使祭斎行の年だったと記事にしましたが、宇佐八幡もでした。
展示は、八幡神がどのように信仰されていたのか縁起や古絵図で読み解こう、という趣旨のようでした。
東大寺とのかかわりや、石清水から鎌倉へと祀られていった様子などが順番に示されていたのでわかりやすかったです。
私が興味を持ったのは次の三つ。
応神天皇が宇佐に降臨した時、竹の葉に乗っていたという縁起絵図
 地面から生えている竹の途中の枝に立っていました。
 竹が暗示している物、ムムム。
名古屋の徳川美術館からの展示だった、持仏的な掛け軸
 掛け軸ですが絹垣で覆うようになっていました。
 そして八幡神の側に控えている人物。
 武内宿祢とも高良の神とも言われているそうです。
 高良の神は武内宿祢だからどちらにしても同じこと。
手向け山八幡宮と東大寺の絵図
 
展示替えがあるようなのでまた見に行こうと思います。
さて。
九博の動画がいろいろ更新されています。
大野城の大野城3Dプロジェクションマッピングもありましたよ。これは嬉しい。

リニューアル前の展示室で上映されていたものも、公式チャンネルで見られるようになっています。
「2億年前から」の動画。いずれも好きでした。

「太宰府の成立」

「黄金のアフガニスタン展」

「黄金のアフガニスタン展」を見に九博へ行きました。
やはりアジアの文化財を見るのは楽しいですね。
特に今回は、展示を見て個人的にとても驚いたことがありまして。
まずはそのことから感想を書いていきたいと思います。
ギリシャあり、インドあり、中国あり。神様さえも入り交じっていて。
素晴らしかった&面白かった魅力的な展示物の中で、今回私が一番心に残った物。
それは一枚のパネルでした。
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(画像をクリックすると拡大します。)
わかりにくいので、この展示ケースのレイアウトを説明しますね。
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一番左の四角部分に描いている赤い丸。
これ、二枚の鏡なのです。
左がティリヤ・テペで出土したもの。
右が福岡県筑前町の峯遺跡から出土したもの。
「よく似ている」と控えめに説明されていましたが、どう見ても写し絵のようにそっくり。
ええええっ!でした。
でも根本的な違いがありまして。
そこがまた不思議なのです。
(製作の都合、輸送の都合、漢の態度の違い。etc.)
地元福岡とアフガニスタンが漢鏡でつながるとは、なんと面白い話でしょう!
これを展示してくださった方、本当にありがとうございました。
このパネル、東博にも行きますよね?是非多くの方にこのことを知っていただきたいと思いました。
ここから私の似たもの探しが始まりまして。。。
例えばこれなど、日本の首長を彷彿とさせる姿があったり。
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そしてこれ。パルメット模様の軒飾り(だったかな?)。
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パルメット文と言えば宮地嶽古墳の金銅製壺鐙ですよね。
本当に西から来た模様なのだと実感しました。
それからこれ。三角の模様が気になって気になって。
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Afghanistan:  Hidden Treasures from the National Museum Kabal
(画像共有サイトflickrよりシェア)
実物はもっと色が鮮やかで、地の部分に赤と黒(濃緑?)の彩色がありました。
「三角を敷き詰めたこの配色の模様って見覚えあるナー」と考えていたら、ふと王塚古墳の壁画を思い出したのです。
いや、そこじゃないのわかってますけど。
装飾古墳にこんな色の三角モチーフありますよね?と無理やり引き寄せ。(←[:汗:][:汗:]妄想ですからね。)
それから、こちらに描かれている馬の絵。
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Afghanistan:  Hidden Treasures from the National Museum Kabal
(画像共有サイトflickrよりシェア)
なんとなーくタッチが竹原古墳の壁画に似ているような?気がするのです。
気のせいと言われればそうなのですけれど。
でも、そう考えると楽しいではないですか。
歩揺はもう、言わずもがなですね。記憶に新しい船原古墳の馬具も歩揺付きでした。契丹や新羅の冠も。
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交差点に限らず終点でもどこでも、文化って混じるものなのだ。
似たもの探しからそんなことを思いました。。
最後に、アイ・ハヌムの出土品にうかがえた距離感覚にびっくりしたので紹介します。
この画像の中央と右の石にご注目。
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真ん中の石と右端の丸い穴が空いた石は日時計です。
けれど、両者は示す時間が違うそうです。出土した場所も時代も一緒なのに。
つまり、時差を把握していたということ。
時差が生まれるほどの距離を把握していた世界観があった、というのは衝撃でした。
紀元前2世紀ですよ?飛行機ないですよ?
形が違うので比較が難しいのですが、中央と右の日時計はどうも経度も違うよう。
東西だけでなく南北の長い距離も把握していたのですね。
ということは、天文学も発達していたのですね。星読みの民だったのでしょうか。
(ちなみに一番左の石はデルフォイの神託が書かれた台座です。)
展示物についての感想は以上です。

展示室内の画像は九州国立博物館から提供していただきました。

さて、ここから話を変えます。
アフガニスタンという国のことを考えれば、のんきに見てるばかりではいられません。
この展示自体が、文化財を守るためのプロジェクトだと知り大変驚きました。
紛争の間密かに隠されていて、守り抜いた人たちが居たこと。これらの文物が発見された時、自国での保管にまだ不安があったため海外で展示するという手段をとったこと。
全く知りませんでした。
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日本で保護されていた文化財も、これを機に返されるそうです。
九博の平山郁夫展で保護文化財を見ましたが、帰る日が来るとはとても思えなかったのを覚えています。
でも、プロジェクトはもう動いていたのですね。
既に世界各国でこの展示が行われていました。
いろいろ検索したら、とてもわかりやすいサイトがあったので紹介します。
・ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館のアフガニスタン展特集ページ。
Journey of the Treasures←オススメ[:星:]
 
・NationalGgeographicのアフガニスタン展特集ページ。
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文化財が安心安全な故郷へ帰ることができますように。

直方市 多賀神社

多賀神社の立春星祭りに行きました。
一年ぶりの参拝です。
拝殿の中を見渡すと、文字を書いた紙が柱に貼られています。
あら?去年来た時は気づかなかったのですが、これ、ずっとあったのでしょうか。
鎮魂唱詞、とあります。
読んでみて驚きました。
「ひ、ふ、み、よ・・・」で始まる、いわゆる布瑠の言だったのです。
も、物部氏?
え?となりました。
祭神はイザナギ・イザナミの二柱で、相殿に八幡神。
うーん。どういうことでしょう?
布瑠の言(「ひふみ祓詞・ひふみ神言」とも)とは、十種神宝を振りながら唱える詞だそうですが、死者をも蘇えらせるほどの力があるそうです。
イザナギイザナミは国つ神ですし、死者の国へ行ってしまったイザナミをイザナギが連れ戻したいと思った話がありますから、もともとはそういうところから来た詞なのかなと思いました。鎮魂唱詞(たましずめとなえことば)とありましたし。
祭神にちなんだ御菓子です。かわいいですね。
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